失くせ、政府の無駄遣い
中川前財務大臣の泥酔会見から、その後、さまざまな展開が見えた。泥酔して記者会見に臨む大臣も大臣なら、その周りにいる随行員(つまり官僚たち)もあまりにいい加減すぎる。そのためか、今、新しい問題が表面に出始めている。
泥酔会見した中川財務大臣がローマでのG7出席のため使用した出張費は、飛行機の航空費だけで4100万円であったことが判明した。4100万円だ。東京・ローマの往復が4100万円。くどいけれど、4100万円。通常の交通費の何十倍なのだろうか。筆者は乗ったことがないが、東京・ヨーロッパのファーストクラスの往復航空運賃が約100万円。格安チケット(エコノミーチケットでもさらに安くなった運賃で、通常、国民の多くが使う運賃)だと、10~15万円。どちらで比較すべきかの問題があるが、出張した人物が大臣であるということを考慮し、ファーストクラスの運賃と比較してみると、今回の運賃早く41倍もかかっている。
財務省などは「国会運営のため」と言うが、国会審議を優先するのであれば、チャーター便出発の2時間後に出発した定期便でも十分だったのではないか。こんなに高額の航空費を使わなければならない理由としてはあまりにもお粗末である。
もし仮に、一公務員がこのような航空費の支給を申請した場合、どうなるのだろうか。確実に上司からつき返されるか、もしくは査察が入り、出張経費の使途を詳細かつ執拗に調査されること間違いなしだ。それ以前、そんなお金の使い方を知らないのだが・・・・・。
大臣だから、通常でも高額と思われているファーストクラス運賃の約40倍もの交通費の使用を許されるのだろうか。さらに、今回は泥酔会見で問題視されたため、チャーター便の費用までもが問題視されてしまったという側面があることを考慮すれば、大臣以外の高級官僚たちの出張費の使用に関して、全く問題がないといえるのかどうか、はなはだ問題があると思えてきた。
一時代を風靡した音楽プロデューサーが詐欺容疑で逮捕された事件は記憶に新しい。個人で100億円以上の所得を得ていた人物が、そこまで落ちぶれた最大の要因は、通常の人の感覚では想像もつかない浪費があったと言われている。彼の場合、詐欺事件は問題だが、浪費したお金は彼自身が稼ぎ出したものなので、そこに問題はない。しかし公務員の浪費は全く性質が異なる。
公務員による浪費は、税金の浪費である。極論すれば、国民の財産を私物化し、個人的利益を得ている犯罪とも考えうる性質のものである。
中央官庁のみならず、地方自治体の多くでいわゆる「裏金」が貯められ、不法に使用されていたことが問題になったことがある。その処理に大いなる不満を持ち、やり方に不信感を増大させている国民は少なくないだろう。あれは税金の「横領」なのであり、「裏金」などではない。あの多くは、公務員の私的利益のために流用されていたのである。これを横領といわずして何というのだろうか。
裏金事件と同じ汚職構造が、中川昭一前財務大臣の問題から表面化してきている。この問題の解決なくして行財政改革など出来はしないし、ましてや平和で安心できる社会創りなど出来はしない。即刻、詳細で明確な行政府の歳出の見直しと点検が必要である。
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