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2008年12月 2日 (火)

田母神問題と自衛隊の組織的問題

田母神前航空幕僚長の投稿論文の問題から、自衛隊という組織が持つ構造的・組織的問題が炙り出されてきている。

田母神氏の論文は、繰り返してしまうが、論文という観点から見れば、落第点である。他の論者の意見を不用意に引用しているという論文作成上の基本的ルールが守られていないことから始まり、その主張はあまりに主観的過ぎ、客観的に説明しようとする姿勢が全く見られないなど、問題は多い。グローバルスタンダードの基準で採点すれば、100点満点のうち、せいぜい取れて30点であろう。筆者であれば、15点くらいかもしれない。

今、田母神氏の論文は、その問題が論文から自衛隊という組織の問題へと拡大してきている。そもそも航空幕僚長という自衛隊のトップでありながらも、あのような意見を形成することが出来たのかが問題視されている。自衛隊の幹部要請教育課程の中で、歴史に関する教育があるが、その外部講師として招かれる人物が判明した。

朝日新聞に次のような記事がある。

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2008年11月20日1時16分
統幕学校「歴史観」講義内容判明 講師に桜井よしこ氏ら
 日本の侵略を否定する論文を発表した田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長(60)が更迭された問題で、防衛省は19日、田母神氏が、自衛隊の高級幹部を育成する統合幕僚学校の学校長時代に新設した「歴史観・国家観」の講義に招いていた外部講師の名前や講義内容を明らかにした。
 ジャーナリストの桜井よしこ氏や作家の井沢元彦氏らが招かれていたほか、元海将補の坂川隆人氏や、「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長を務める大正大学の福地惇教授らが講師を務めていた。
 講義内容は日本の歴史の特徴や節目の出来事、集団主義など日本人の価値観の特徴についてなど。「現在の日本の歴史認識は、日本人のための歴史観ではない」とする内容の講義もあった。
 防衛省は「様々に考えることに意味があり、異質なことを話したからすぐに問題だ、と言うわけではない」としつつも、来年からは「(人選や内容で)よりバランスを取っていく」としている。

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よくもこれだけ保守(?)的な人々を集めたものだと感心する。保守といっても、こうした人々の主張は、極端な日本民族主義(選民主義?)をもつ人々である。日本の言論界では少数派でもある。彼らの意見を封殺するつもりなどはないが、そうしたごく一部の主張のみを自衛隊という組織で、組織の世紀の幹部要請カリキュラムの中で教育することに問題はある。その問題は、深刻である。問題の重大性に気づき、早急に改善する必要がある。

田母神氏は、日本の国益を大きく毀損してしまった。外国人記者クラブでの講演は、本人は自説を滔々と述べて気分は良いのだろうが、ああいう人物が日本の軍事組織のトップにいたということを国際社会に示すことになり、日本という国の非常に脆弱な軍人管理を暴露してしまった。

私がもし、外国のスパイならば、田母神氏のような人たちにエールを送り、ああいう人たちが自衛隊の主流を占めるように工作するだろう。なぜ? それは、全方位的に情勢分析が出来、軍事的にもっとも有効な作成を展開できるような人物を司令官にしないためだ。田母神氏のような人物が司令官でいる方が、日本の自衛隊の軍事行動の予想が立てやすく、軍事作戦上、楽だからだ。

自衛隊もそうだが、日本の官僚組織というものは、田母神氏のような硬直したものの見方しか出来ない人が多くなるようになっているようだ。組織的硬直状態が、組織そのものをダメにしているのかも・・・・・。

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