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2008年11月 4日 (火)

政府の失政

政府の失政の事例がこのところ急増している。その典型例が、産婦人科医問題だろう。先日、救急外来の妊婦を受け入れる病院がなく、その妊婦が死亡してしまうという痛ましい事件があった。そのため、産婦人科医問題がクローズアップされているが、その原因は基本的に厚生労働省を初めとする政府の失政にある。

数年前、産婦人科医が殺人罪で逮捕されるという事件があった。病院に運び込まれた妊婦に適切な治療を施さなかったため、妊婦が死亡したとされ、治療に当たった産婦人科医が逮捕されたのである。この事件は現在も係争中だが、先日、高裁判決が出て無罪とされている。

警察が、世論にあった医師批判に便乗し、産婦人科医を逮捕し、検察も起訴したため、医療を志す若者に、産婦人科医離れが急速に進んでしまった。医学が進歩し、妊婦の死亡率が低くなったとはいえ、依然として妊娠・出産にはリスクがついて廻る。一方、妊婦やその家族は子どもが無事出産してくることを当たり前のように考えている面もある。そのため、出産にかかる問題は尾を引くことが多い。訴訟に発展することも多いため、元々、医学部学生からは敬遠されていた分野だ。それが、警察・検察の「勇み足」のため、産婦人科医になろうとする医学部生が急速に減少した。

加えて、数年前から始まった研修医制度のため、大学医学部が医師の人事権をある程度持っていた慣習が崩壊してしまった。厚生労働省によるこの改革は、従来の医師の流動性を激変させてしまった。いわゆる医師不足のもっとも大きな原因だ。

警察・検察、厚生労働省による失敗の結果、本当に困ったのは、子どもを生もうとする女性だ。少子化が叫ばれている中、その少子化を促進することになってしまっている。なぜ、このようにことをしたのか?、と失敗した組織に問いたい。警察による逮捕は、適切な判断なのだろうか? 捜査上の秘密などの詭弁を弄するのではなく、おのれの判断ミスを認め、取るべき責任を取るべきなのではないか。

厚生労働省がおこなった改革の中で成功したものはほとんどない。年金、健康保険なども悪化する一方だ。このままでは、日本が世界に誇っていた国民皆保険皆年金制度も崩壊を余儀なくされてしまうだろう。担当部署に対する信頼がなくなっているのだから。

麻生首相は、政治の責任者として今の現状をどのように考えているのだろうか。漫画のようにすべてがうまくいくはずはない。漫画だけでなく、現実も毎日見るようにして欲しいものだ。

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